高知駅から少し歩いて、はりまや橋から路面電車に乗る。文珠通で下りて、あとは遍路道だ。

住宅街を十分も行くと脇道にそれ、石階段の続く山道へ。息を切らしながらさらに十五分、西国三十一番竹林寺に辿りつく。

短い道中に桃の花が満開で、村の墓地の間を抜け、狸とすれ違った。寺にはバスで廻るお遍路さんが大勢でお参りして、大きな声でお経を唱えている。

こんな一日が日本にあるのを、東京にいるとまるで気がつかない。