鹿児島から親戚が上京して東京見物だというので、
以前から気になっていた森下の「みのや」へさくら鍋を食べに行く。
昭和29年に建てられたという店は、もうそれだけで良い感じなのだな。


こういう所はちゃんと下足番のおじさんがいて、
するするっと座敷に上がっていくと、予約の席へつっと収まる。
1人、足の悪い年寄りがいると言ったら、イス席はないが
かわりに座布団を五枚も六枚も重ねて、にわかイス。あるいは笑点か。
室内にはどでかい熊手が飾ってあって、なかなかの風情だ。


そしてこの日はコースでみっちりとさくら肉三昧。
馬刺しから前菜から、もちろん桜がぞろぞろと。


そして締めはもちろんさくら鍋。いや桜なべと書くべきかな(こっちの方が艶やかな字面だし)。


この甘辛の濃い味付けが下町風で、どうにも白いご飯がもりもり食べたくなる。
子どもも喜んで食べるので、家族連れには助かるし。
この風情と、安心の味醂&醤油味で決められてしまって、
つまりは何度来ても飽きないという、いかにも老舗の特徴なのである。
あー、また行きたいよ。

「みのや」HPはここね。