名物というのは、何度食べても飽きないという
特徴を持っています。
鹿児島のお菓子なら、かるかんが当代一でしょうけれど
実はこの「伊集院まんじゅう」も相当に私の好みです。
ダンナさんの実家から送ってもらったので
ついつい嬉しくて写メをパシッと。
丸に十の文様は、当然のことながら島津家の家紋です。

伊集院まんじゅうの由来を蘊蓄しちゃいましょう。
1600年、関ヶ原の合戦に出陣した島津義弘公が西軍の敗北を受け、
敵陣を突破して、なんとか無事に鹿児島へ逃げ帰りました。
その史実に由来するのが、鹿児島の三大行事のひとつ、
「妙円寺詣り」です。
毎年10月には徳重神社を目指して、鎧兜姿の武者たちが行列します。

妙円寺詣りという名前で徳重神社にお参りするのは理由があって、
もともとこの神社は義弘公の菩提寺・妙円寺でした。
それが明治2年の廃仏毀釈で廃寺となり、2年後、
徳重神社として再建されちゃったのです。

この廃仏毀釈の時、全国のお寺がどれだけ消え失せたのか。
それは大変なものだったらしいです。
以前、京都のお寺を取材したときも、寺のおじいさんが
「あの時は本当に大変だった」と、
まるで最近のことのようにつぶやいていたのを思い出します。