英会話の先生が開口一番、なにやら興奮して「日本がますます好きになった」と言い出した。オーストラリアからわざわざ東京に来ているわけだから、もともと日本に悪い気持ちは持っていないと思うが、それにしても少し興奮気味。

よく話を聞いてみれば、先日渋谷で10万円入りの財布を落としてしまったのだという。どうせダメだろうと思って交番に出向いたら、なんと財布が届いていた。中身も完全にそのままで。まぁ、渋谷という土地柄、お金が無くなっている可能性もあったのだから運がいい。でも、こういうことは日本ではそれほど珍しくはないと思う。

しかし、このオーストラリアの青年は超びっくりしちゃったらしいのだ。彼の国では、こういうことは絶無だとか。落とした人がstupidということでね。そして拾ったら、懐に入れるのに罪悪感がないらしい。面白いことに、彼は私に何度も念を押す。「道ばたに封筒入りの現金が落ちていて、封筒には名前もなにも書いていない。それでも交番に届けるのか?」。そりゃ、そうじゃない? 私のお金じゃないしね。(悪銭身につかずとか、お天道様が見ているとか、そういう話はしなかったが...)

でも、彼は日本で素敵な経験をしたので、今後は自分も財布をひろったらちょろまかさず、ちゃんと中身とともに交番に届けると言っていた。大変結構なお話でありました。ここで「そんなの当たり前」と発想するのは、日本人ならではの希有さなのだそうだから。


↑先日、発売になったワールドカップ記念切手。日本、どんだけやれるか!?