すべりこみ長谷川等伯展 [アート]
東京での長谷川等伯展は3/22までだったので、
大慌てで上野の国立博物館へ走りました。
以前、葛飾北斎展を見に行ったとき、なんと館の前に大行列で
1時間半待ったので、それくらいを覚悟してでかけたら
ほんの20分そこらで入館できて、気が抜けました...。
夜8時まで開館しているというのがよかったのかな。
さすが噂通りに展覧会は絶品で、
30代の頃の仏画、若描きなんだけど緻密な筆さばきで
さすがに腕が立つというのがよくわかる一群、
そして千利休に代表される人物画。人となりをじっとうかがわせる気配がいい。
画像は公式サイトから拝借ですが、
10メートル×6メートルの「仏涅槃図」はスゴイです。
↓
博物館の天井の一番上からぶら下げて、なお下の方は床にだらりと垂れている。
1599年、等伯61歳の時の作品で、完成時は宮中もお披露目されたとか。
この巨大なものを、宮廷の壁にどう飾ったのでしょうね。
それとも床に置いて眺めるのか...。二十代の若さでなくなった長男の供養銘が記されて
いるというのも、切ないものです。
もちろん秀吉の注文で描いたキンピカの楓図や松に秋草図屏風も素晴らしいし
あの松林図も言わずもがな。
まことに眼福な1日でありました。
次は京都に巡回するらしいので、まだの人はそっちへ行くべし!
大慌てで上野の国立博物館へ走りました。
以前、葛飾北斎展を見に行ったとき、なんと館の前に大行列で
1時間半待ったので、それくらいを覚悟してでかけたら
ほんの20分そこらで入館できて、気が抜けました...。
夜8時まで開館しているというのがよかったのかな。
さすが噂通りに展覧会は絶品で、
30代の頃の仏画、若描きなんだけど緻密な筆さばきで
さすがに腕が立つというのがよくわかる一群、
そして千利休に代表される人物画。人となりをじっとうかがわせる気配がいい。
画像は公式サイトから拝借ですが、
10メートル×6メートルの「仏涅槃図」はスゴイです。
↓
博物館の天井の一番上からぶら下げて、なお下の方は床にだらりと垂れている。
1599年、等伯61歳の時の作品で、完成時は宮中もお披露目されたとか。
この巨大なものを、宮廷の壁にどう飾ったのでしょうね。
それとも床に置いて眺めるのか...。二十代の若さでなくなった長男の供養銘が記されて
いるというのも、切ないものです。
もちろん秀吉の注文で描いたキンピカの楓図や松に秋草図屏風も素晴らしいし
あの松林図も言わずもがな。
まことに眼福な1日でありました。
次は京都に巡回するらしいので、まだの人はそっちへ行くべし!
国立トレチャコフ美術館展「忘れえぬロシア」へ [アート]
久しぶりに美術展へ行った。Bunkamuraで開催している国立トレチャコフ美術館展だ。今年は3月に庭園美術館でポワレとフォルチュニィ展を見たきりなので、2本目ということになるのか。ペースとしてはちょっと少ないかも。
トレチャコフ美術館展で一番の目玉は、なんといってもこの絵画だ。
イワン・クラムスコイの描いた「忘れえぬ女」。何度見てもきれい。絵葉書いっぱい買っちゃった。
この絵を最初に見たのは小学生のときだ。ロシア美術館名作展という展覧会があって、「第九の怒濤」と一緒にご来日。私は母親に連れられて会場に行き、この絵に出会ったのをよく覚えている。あの時の「忘れえぬ女」はもっと大きくて、壁の高いところにかかっていて、私のことを見下ろしていた。
それからうん十年経って再会したら、彼女のまなざしは少しも変わらなくて、容貌は20代のまま。私はずいぶんと年を重ねてしまった。絵は記憶よりいくらか小さくて、今回の彼女は私と目線が並行だった。それで絵の前に置いてあったソファに腰掛けたら、だいぶ小学生時代の目線に近づいたみたいで、彼女が見下ろしてくれた。なんだか懐かしい。
あと何年生きるのかはわからないけど、「忘れえぬ女」にもう一度出会う機会はあるのかな。その時はどんな風に感じるのだろう。絵の前に立って、時間のざわざわと流れていく音が聞こえてくる。
トレチャコフ美術館展で一番の目玉は、なんといってもこの絵画だ。
イワン・クラムスコイの描いた「忘れえぬ女」。何度見てもきれい。絵葉書いっぱい買っちゃった。
この絵を最初に見たのは小学生のときだ。ロシア美術館名作展という展覧会があって、「第九の怒濤」と一緒にご来日。私は母親に連れられて会場に行き、この絵に出会ったのをよく覚えている。あの時の「忘れえぬ女」はもっと大きくて、壁の高いところにかかっていて、私のことを見下ろしていた。
それからうん十年経って再会したら、彼女のまなざしは少しも変わらなくて、容貌は20代のまま。私はずいぶんと年を重ねてしまった。絵は記憶よりいくらか小さくて、今回の彼女は私と目線が並行だった。それで絵の前に置いてあったソファに腰掛けたら、だいぶ小学生時代の目線に近づいたみたいで、彼女が見下ろしてくれた。なんだか懐かしい。
あと何年生きるのかはわからないけど、「忘れえぬ女」にもう一度出会う機会はあるのかな。その時はどんな風に感じるのだろう。絵の前に立って、時間のざわざわと流れていく音が聞こえてくる。