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グルジア国立バレエの「ロミオとジュリエット」。そしてアナニアシヴィリ [映画&舞台]

今年3月に東京で行われたグルジア国立バレエ団の公演「ロミオとジュリエット」を
おととい、やっと録画で見ることができました。
当然、見所はジュリエットを演じるニーナ・アナニアシヴィリです。

15年くらい前になると思うけれど、彼女の舞台をよい席で見ることがあって
その大きな体に宿る繊細かつ華やかなエッセンスにとても感動しました。
体が大きい人なので、もっと大雑把なものになってもおかしくないと考えたのは
私の愚かしいところで、彼女の場合、大きくて、堂々として、同時に繊細なのです。

そんなわけで、久しぶりにニーナの踊りを(録画でしたが)しみじみと見ました。
正直、少しがっくりしました。
ニーナが太っていたからです。
ジュリエットの衣装は基本的に胸元で切り替えのある、
白いふわりとしたワンピースですが胸元から続く腹が膨らんでいました。
そんなはずはないと思って、なんどもしみじみ見ましたが、
やはり少しばかり肉がもっこりとしていました。

太っただけならまだしも、体が重くて、踊りも重々しいのです。
演技そのものは素晴らしい円熟ぶりでしたが、ロミオとの踊りもまた苦しい。
パートナーのアンドレイ・ウヴァーロフ(ボリショイ・バレエ)はすばらしい踊り手ですが
ニーナを持ち上げるとき、どっこいしょ的な苦労がにじみ出てしまうのが悲しげでした。
きっとジュリエットのママ役ならぴったりだったかもしれない。
が、ニーナママに対抗できるようなジュリエット役を連れてくるのは
生半ではいかないでしょう。
ましてやニーナは当然のように花形スターですから。
(その上、彼女は2004年9月から母国グルジアの国立バレエ団芸術監督に就任。
そういう活動はとっても立派です)

考えてみれば、ジュリエットが少し太っていても、別に構わないはずなんですよね。
設定としては十代の女の子で、
あの頃の年代というのは女の生涯でも相当太りやすい時期です。
まして良家の子女ならいいものを食べてるだろうし、ふっくらしていてもいい。
でも、なぜか運命的恋愛と不幸な物語に、小太りはそぐわないのです。
どういう差別かとも思ってしまいますが、
太るという有様にはどこか余裕とか余力を感じてしまう。
だから運命的な恋愛はしても、不幸には負けずに闘うような方向が
物語としてふさわしく思ってしまう
→結果的にジュリエットらしかなぬ女性になる。
そんな道筋じゃないかと、ぶらぶら思いました。

閑話休題。
YoutubeにNatalia Makarova と Kevin McKenzieのすばらしいロミジュリがありました。
1988年、ABTでの舞台です。
なにしろナタリアの、仮死状態だけど激しく踊るという、
相反するシーンがすごいです。

http://www.youtube.com/watch?v=KfNbFm-zwf4
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Ake

今通勤電車で草刈民代の『バレエ漬け』を丁度よんでいるけど、この方が4月に出した写真集『バレリーヌ』では40代半ばとは思えない鍛え上げた究極の身体を披露し、感動物でした!

著書のなかでヘルニアや足首の骨折の箇所があったけど、あの身体を作るためにバレエを続けるために体重以上に削ぎ落としてきたものが沢山あったんだろうな。

外国のダンサーはプリセツカヤくらいしか名前知らないので、分からないけど、リフトする男性の肩の為にも腹の出たジュリエットはいただけないです(><)
by Ake (2010-06-13 00:12) 

mamagirl

草刈さんの本、おもしろい? 私も読んでみようかなぁ。
by mamagirl (2010-06-13 02:33) 

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