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下北沢でコンテンポラリーダンスを見たら。 [映画&舞台]

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久々に下北沢へ行きました。
北沢タウンホールで開催された「DANCE夢洞楽2011」という
イベントを見にいったのです。
コンテンポラリーダンスをやっている16の団体が
それぞれ数分の持ち時間でパフォーマンスをしてくれます。
その中のひとつに友達が参加して踊っていました。

コンテンポラリーダンスはめちゃマイナーな芸術分野だと思うけど
東京にはこれだけダンサーと振付家がいて
それぞれユニークな活動をやってるんですよね。実のところたいした厚みだなぁ。
私もかつてはちょっとだけ振り付けしていたこともあって
すごく懐かしい空気感でした。
あー、なんか踊りたいような気分になっちゃいましたよ。

溝口健二監督作品「近松物語」を見る。 [映画&舞台]

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今年初の映画は、いきなりの白黒作品。
溝口健二監督の「近松物語」と「残菊物語」を
渋谷のシネマヴェーラで見ました。
http://www.cinemavera.com/theater.html
まれに見る傑作とそそのかされ、
出かけてみれば、確かに立派な作品です。
まず映像の仕立てが素晴らしい。
着物も結い上げた髪も化粧も。
そして長回しの中でゆったりと物語が進行する様子。
画面の右下からゆるゆると二人の乗る船が現れ、
なぜかぴたりと美しい瞬間に止まる。
ノーカットで、CGもない時代の映画で、なんでできちゃうんだろう。
うるさい音楽もまったく入っていなくてね。そういうのも好きです。

ストーリーはやはり「近松物語」がすごかった。
当時の姦通は市中引き回しの上、磔、獄門。
その恐ろしい結末に向けて、あれよあれよと運命が回っていく。
長谷川一夫と香川京子の熱愛が強いだけに、切なく辛い。
彼を捜して、山の斜面を転がるように走っていく京子さんとかね。
噂通りの傑作でした。もう一回、見たいなぁとホント、思います。

超オススメ度★★★★★
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堀北真希さんの舞台「ジャンヌ・ダルク」を見ました [映画&舞台]

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赤坂ACTシアターでやっている舞台「ジャンヌ・ダルク」を見ました。
主演は今回、舞台初出演の堀北真希さん。
大勢の役者が複雑に絡み合う時代もの&群衆劇で、ジャンヌという大役。
どんなことになっているのかと思ったら、
堀北さんは、すごく演技達者で、並み居るベテラン勢も
正直、圧倒されるほどでした。いや、もうびっくりです。

堀北さん曰く「私は、私の道を見つけた」という
ジャンヌのセリフが好きとおっしゃってましたが、
とにかく彼女のその強さと純粋さが劇場を圧倒していました。
あの細くて小さな体にどれだけエネルギーが詰まっているのかしら。

今年は8月のBunkamuraでのバレエ以来、
久しぶりに舞台を見たんですが、
映像ではなく、生身の人間が走り回って
その場で叫んだり、しゃべったり。こういう空間、いいなぁ。
芸術の原点のような気がします。
東京公演は12/19まで。12/24〜28まで大阪公演もあります。
純粋さの不思議な力を見るチャンスかも。
http://www.jd2010.jp/

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岩波ホールで「冬の小鳥」を見ました [映画&舞台]

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今年の目標は月に最低2本の映画鑑賞だったのです。
で、実現できたのは1月2月3月5月だけ。
寂しいことだと思ってましたが、今月もなんとかクリア。
久しぶりに岩波ホールにいって、
「冬の小鳥」というじみーな映画を見ました。
http://fuyunokotori.com/
映画の選択に関しては、とにかく地味一点張りなので、
今回の作品は完全に私好みです。

「冬の小鳥」はウニー・ルコントという
韓国系フランス人女性による初監督作品です。
オリジナル脚本による作品で、主人公は9才の少女ジニ。
大好きなパパに捨てられて孤児院に入り、
そこで必死に生きていくという話です。
声高な主張がなんにもなくてね、それがいい。
あるのは冷たい土の感触とか、死んだ鳥の硬さとか。
誰も自分を助けてくれない行き止まりの苦しさ。

ルコント監督本人が韓国で両親に捨てられ、
フランスの養父母に育てられたという経歴があって
映画には自伝的な要素があるんです。
公式HPの本人インタビューには
「諦めることを学ぶ必要もなかったそれまでの人生と、
限りなく切望することを知る人生。
その二つの結び目をしっかりほどいて見せることは、
映画でしかできないと思ったのです。」
と書いてあって、なかなか響きます。


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「瞳の奥の秘密」を見る [映画&舞台]

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いやはや。7月に「花のあと」を見てから3カ月。
すっかり映画館とご無沙汰をしていました。情けないことです。
なんだか、あの独特の暗闇が懐かしくなり、
ふと思いついて、日比谷のTOHOシネマズシャンテで「瞳の奥の秘密」を見ました。
http://www.hitomi-himitsu.jp/
アカデミー賞外国語映画賞受賞なのよね。
予備知識も全然なかったので、なにかもっと政治的な、
あるいは殺人事件解決ものかなぁと思ってました。

で、がらがらの映画館で作品が始まったら、
思いがけず、大人の秘めた恋愛ストーリーでびっくり。
あらあら、こんな展開なのかと。
恋する人にどうしても気持ちを打ち明けられない男とか、
妻を失った男がどうやって今日を生きるのか、とか、
当たり前だけど、アルゼンチン人も日本人も感性は一緒。
感情がたっぷり詰まった作品で、結構好きだなぁ。
恋が恋しい人にお奨めかも。
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原田英代さんのシューベルトの室内楽コンサートへ [映画&舞台]

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本当に久しぶりにクラシック音楽のコンサートへ行きました。
ドイツで活躍している素晴らしいピアニスト・原田英代さんが
浜離宮朝日ホールでシューベルトの室内楽を演奏してくれるというので
うきうきとでかけ、幸いにも最前列席!!
最高の夜を楽しみました。

演目はもちろん全部シューベルトです。
1曲目が「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調D574」
といっても、ピンとこないのがにわかファンの宿命。
だけど、素晴らしさは聞けば一瞬にして脳裏に翻ってきます。
22歳の若いヴァイオリニスト、ミハイル・シモニアンという方が
これまたすごくチャーミングなのです。
ロシア人とアルメニア人の両親のもと、シベリアに生まれて
13歳でデビュー。以来世界的に活躍しています。
彼の演奏は本当にちゃめっけがあって、いきいきしていて、
人間版ティンカーベルみたいなイメージ。音が全部躍動しているのね。
原田さんはそんないたずらっ子を追いかけたり、捕まえたりして
スリリングな展開でした。

2曲目はうってかわって、大人な雰囲気です。
「アルベジョーネ・ソナタ イ短調D821」
ギターとチェロのあいのこのような「アルベジョーネ」という
楽器のために書かれた作品です。楽器そのものは早くに廃れてしまった
そうなんですけど(で、もろちん公演ではチェロが登場)
とにかくノスタルジックで、美しいメロディーがすばらしいのです。
チェリストはドイツ人のイェンス=ペーター・マインツさん。
1995年から9年間、ベルリン・ドイツ交響楽団の第一ソロ・チェリスト。
2004年よりベルリン芸術大学教授に就任されています。
彼と原田さんは本当に息が合っていて、心の流れのようなものが
目に見えるみたいに感じるのね。音楽をやる人たちは、
普通の人間関係では得られない、なにか特別な絆を、演奏中にだけ
紡ぐことができるのかも知れません。
羨ましいなぁ……。
ちなみにマインツさんのチェロは1696年製作のヴィンツェンツォ・ルジェーリ。
——といってもピンとこないけど、
最前列で見たから、この楽器のなにか特別な命をかいま見ることができました。
ちょっと生き物みたいなところがあるのね、楽器って。

3曲目は「ピアノ三重奏曲 第2番変ホ長調D929」
これはとにかく豪華ですよ。この個性溢れる3人が一瞬の隙もなく
バトルしてるんですから。いや、バトルと言うと乱暴になるから違うかな。
互いの呼吸を一緒に見つめているような、一瞬の出会いと別れの繰り返しというか。
楽器で饒舌に語ったり、互いの世界をともに解きほぐしているような。
スウェーデン民謡「太陽は沈み」からとられたとされるメロディーが
幾度も現れてくるのだけど、これがまた美しいのです。
CDを出すという噂を耳にしたので、このシリーズ、ぜひ欲しいなと思います。

グルジア国立バレエの「ロミオとジュリエット」。そしてアナニアシヴィリ [映画&舞台]

今年3月に東京で行われたグルジア国立バレエ団の公演「ロミオとジュリエット」を
おととい、やっと録画で見ることができました。
当然、見所はジュリエットを演じるニーナ・アナニアシヴィリです。

15年くらい前になると思うけれど、彼女の舞台をよい席で見ることがあって
その大きな体に宿る繊細かつ華やかなエッセンスにとても感動しました。
体が大きい人なので、もっと大雑把なものになってもおかしくないと考えたのは
私の愚かしいところで、彼女の場合、大きくて、堂々として、同時に繊細なのです。

そんなわけで、久しぶりにニーナの踊りを(録画でしたが)しみじみと見ました。
正直、少しがっくりしました。
ニーナが太っていたからです。
ジュリエットの衣装は基本的に胸元で切り替えのある、
白いふわりとしたワンピースですが胸元から続く腹が膨らんでいました。
そんなはずはないと思って、なんどもしみじみ見ましたが、
やはり少しばかり肉がもっこりとしていました。

太っただけならまだしも、体が重くて、踊りも重々しいのです。
演技そのものは素晴らしい円熟ぶりでしたが、ロミオとの踊りもまた苦しい。
パートナーのアンドレイ・ウヴァーロフ(ボリショイ・バレエ)はすばらしい踊り手ですが
ニーナを持ち上げるとき、どっこいしょ的な苦労がにじみ出てしまうのが悲しげでした。
きっとジュリエットのママ役ならぴったりだったかもしれない。
が、ニーナママに対抗できるようなジュリエット役を連れてくるのは
生半ではいかないでしょう。
ましてやニーナは当然のように花形スターですから。
(その上、彼女は2004年9月から母国グルジアの国立バレエ団芸術監督に就任。
そういう活動はとっても立派です)

考えてみれば、ジュリエットが少し太っていても、別に構わないはずなんですよね。
設定としては十代の女の子で、
あの頃の年代というのは女の生涯でも相当太りやすい時期です。
まして良家の子女ならいいものを食べてるだろうし、ふっくらしていてもいい。
でも、なぜか運命的恋愛と不幸な物語に、小太りはそぐわないのです。
どういう差別かとも思ってしまいますが、
太るという有様にはどこか余裕とか余力を感じてしまう。
だから運命的な恋愛はしても、不幸には負けずに闘うような方向が
物語としてふさわしく思ってしまう
→結果的にジュリエットらしかなぬ女性になる。
そんな道筋じゃないかと、ぶらぶら思いました。

閑話休題。
YoutubeにNatalia Makarova と Kevin McKenzieのすばらしいロミジュリがありました。
1988年、ABTでの舞台です。
なにしろナタリアの、仮死状態だけど激しく踊るという、
相反するシーンがすごいです。

http://www.youtube.com/watch?v=KfNbFm-zwf4
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恐らく非常にイマドキな映画『扉をたたく人』 [映画&舞台]

個人的好みで言うと、とにかく地味な映画が好きだ。
ダルデンヌ兄弟の作品とか、『八日目』とか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』ももちろんよかったけれども、もう一度見るのがつらい作品が多いな。

今回、そんな地味好きの食指に引っかかったのが『扉をたたく人』。
http://www.tobira-movie.jp/

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 主演の大学教授役・リチャード・ジェンキンスが2009年アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた作品で、はてどんなんかと思って見てみたら、予想通り地味であった。が、この手の作品ならではの人物描写は緻密で、そのあたりは地味映画の王道を堂々と歩んでいる。
 見せ場は「なにもしてないのに、している振りで、ちっぽけなプライドを守る」大学教授が、アフリカの太鼓を学んで、少しずつ変わっていく様子だ。ここをもっと映画的な何か、映像の魅力でもっと伝えていくと、よりよくなったのにと思う。なんとなく一瞬、アキ・カウリスマキを思い出させたりしたんだけど、あの独特の詩情のようなものがなく、白い皿に白いまんじゅうをのっけたみたいなんだ。まことに残念。

 が、ストーリーは非常にいまどきである。移民問題を扱っていて、教授に太鼓を教えるミュージシャンはただXXという国に生まれただけで理由もなく不幸に見舞われる。それをどうすることもできない大学教授。国境というのはたとえ地続きであっても激しい高低差があって、目に見えない巨大な滝がガーっと流れ落ちている感じだ。一度落ちたら登るまでは生き地獄で、もちろん登るところまでもいけない人が大勢いる。たまたま上の国に生まれたら、高低差を自由に飛び回れる身分が与えられるというのに。

 音楽がとってもよかったと思う。サントラ欲しいな。
 

 

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"東京事変live tour2010 ウルトラC"__とってもcool! [映画&舞台]


5/11の雨の中、東京国際フォーラムまで出かけてきました。
東京事変のライブがあったんです。

かねがね4thアルバム「スポーツ」は楽しんでいたから喜んででかけたら、
やっぱりすごかった。
椎名林檎さんのパワー炸裂で、あのエレキギター系の声が会場を圧倒していました。
メンバーの面々、バスの亀田誠治さん、ドラムの匁田綴色さん、キーボードの伊澤一葉さん、ギターの浮雲さんもみんなかっこよくってね。
技のある方々による音楽というのは実に快感です。

事変の「能動的三分間」MVがココにありました↓見れるかな。
http://www.mtvjapan.com/video/music/30063

久しぶりにライブに行ったけど、あの音渦巻く世界って溜まらないものがあります、実に。


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『アパートの鍵貸します』って、意外とおしゃれな恋バナでした [映画&舞台]

毎月最低2本は映画を見る予定なのに、
4月はたった1本しか見られませんでした。
いったいなにやってたんだろうか、自分。

その1本が1960年制作の『アパートの鍵貸します』。
原題はThe Apartmentといいますが、
きっと今、公開されたら邦題は『アパートメント』とかになりそうな。
でも『アパートの鍵貸します』っていう作品名はかなり
よい出来だと思うな。

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そして、もちろん作品もすごくよいできだった。
なにしろストーリーがころころとよくまわり、
本当に上手な展開なのよね。
不倫男に、若かりしシャーリー・マクレーンが惚れちゃって
(この男のどこがいいの?とイライラしちゃうほどの悪役で、
そのあたりも結構な仕上がり)
さえない痩せ男のジャック・レモンが報われない恋に悩む。
コメディっぽさもありつつで、さすがビリー・ワイルダー先生。
半世紀も前の映画なんだけど、基本的に古さのようなものは
全然なくて、やはり良いものはずっと良いのだというのがよくわかったなぁ。
ちなみに1960年のアカデミー賞作品賞受賞作です。

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